コーヒーアイランド、徳之島
鹿児島県南西諸島の奄美群島の一つである徳之島。白い砂浜にサンゴ礁、エメラルドグリーンやコバルトブルーの海に囲まれ、観光地化されていない手付かずの自然が残ります。希少固有種の宝庫としても知られており、2021年7月には世界自然遺産にも登録されています。
コーヒーベルトから約1000kmとやや外れているにも関わらず、亜熱帯性気候で年間平均気温が21.9℃とその温暖な気候により日本でコーヒー生産がされている数少ない地域の一つなのです。
おうちの庭でもコーヒーを植えている一般家庭も多い徳之島。島全体で1万2千本以上のコーヒーが栽培されています。さらに10万本のコーヒーのあるコーヒーアイランドを目指しています。
コーヒーの木は木陰が好きで意外と繊細な農産物。
海外のコーヒー園とは土壌も気候環境も違い日本独自の栽培の教科書もありません。日本のコーヒー生産地はこれまで台風や大雨、暑さ、湿度などさまざまな試練に幾度となく襲われ、生産者たちは計り知れない苦労を乗り越えてきました。
そして今、ようやく「日本生まれのコーヒー」は形になりつつあります。
自分たちの飲むコーヒーを自分たちで作る。そんな地産地消の思いをかけて少しずつ、少しずつ、生産者たちの努力により得られた栽培のノウハウで日本産コーヒーは新たな産業としての一歩を歩きはじめました。
「なんにもない島。」
そう島の人はみな口をそろえて言う。
たしかに派手な観光シンボルはないけれど
ここにはどこかホッとするような風景、
国の宝と認められた美しい自然がある。
そして豊かな土地、空気、水によって
コーヒーの木が育つ。